大学DXを目指して!
インターネットは社会を大きく変えました。新しい技術が社会を変え、その変化が研究開発のスピードを加速させます。そして、そこで生まれた新技術がさらに社会を加速させて─社会の変化のスピードはどんどん大きくなっています。
そのデジタルのスピードに合わせてすばやく「変われる」組織に「改革」しようという世界的な動きが「DX:デジタルトランスフォーメーション」。最近まで日本ではこの動きは鈍いままでした。しかし、近年のコロナ禍で、遠隔会議が一気に広まるなどDX が一気に進もうとしています。INIADは、当初より大学のDXをコンセプトとして作られた学部であり、その教育も、組織や社会をDX化できる知恵を持った人材を育てることを目的にしています。
求められる知恵
新技術の利用─研究開発には「理」の知恵が必要です。
しかし単に新技術の開発に成功しても、それだけでは技術を社会に出していくことはできません。新技術をどのように持続的ビジネスにつなげるか、社会問題の解決にどう活かすかには関係する法律や規制をどうクリアするかといった「文」の知恵が必要です。
さらに同じようなサービスであっても、あるサービスは使いやすいとか、使っていて楽しいというように─人々の感性にいかにマッチするかの差が、広まるときに大きな結果の違いになってきます。その差を生むのはデザインであり「芸」の知恵です。
つながる力
インターネットが大きく社会を変えたのは「人と人」をオープンに広くつなげたからです。
特定の企業の中でしかつながらない電子メールやホームページではこんな力は持てなかったでしょう。メールアドレスやURLを知っていれば「いつでも、どこでも、だれでも」つながる─そのオープン性がインターネットの力です。次の大きな技術・社会革新の波となるといわれているのが「IoT: Internet of Things ─ モノのインターネット」と「AI: Artificial Intelligence─人工知能」です。私たちの身の回りの「モノ」がネットワークにつながり「モノと人」、「モノとモノ」、「モノとAI」、「人とAI」が、オープンにつながる時代がやってきます。
今までのインターネットの世界を超えて、ネットが現実の世界とつながっていきます。関連する法律や制度はより複雑になります。
情報連携学へ
変化が加速した現代─高いレベルで「文・芸・理」の知恵を融合したIoT時代のサービスやモノがあれば、より早く成功をおさめられます。しかし同時に、どんなに優れた人でも一人で「文・芸・理」のすべてが高いレベルという人間はいません。今、求められている人材は、自分が得意ではない分野に対しても理解を持ち、共通の言葉で対話して連携しプロジェクトを達成できる人材です。
そのために創造したのが、連携するための「文・芸・理」の知識と、どう連携させ目的を達成させるかを研究する「情報連携学」であり、その実践教育を行うのが「INIAD:情報連携学部」です。
コンセプトは「連携」
コンピュータ・インターネットをはじめとした、さまざまな科学技術により、成り立っている現代社会。一人ですべてを理解し動かすことは難しい時代になってきています。今求められているのは、多くの人々の協力と連携です。
インターネット社会の今、世界はますますチャレンジが容易に
インターネットによって地理的制約がなくなり、考え方が同じで一緒にやっていける人々との出会いは簡単になりました。
遠く離れたところにいる人たちと協力しあって一緒に仕事をしたり(クラウドソーシング)、設計図を送りモノを作ってもらって、それを(国際)宅急便で送り返してもらったりして、魅力的な試作品を作れば、ネットを通じて広く世界から資金を集める(クラウドファンディング)こともできます。
世界では、こうして若者たちが革新的な製品を世に出して成功する「スタートアップ」が増えています。
インターネットの中のさまざまな機能やサービスを組み合わせ「連携」させれば…
いろいろな機能ブロックがネットから簡単に入手でき、スマートフォンの開発環境も充実しました。少しのプログラムだけで高度なアプリの作成、新サービスの実現が可能になります。
「連携」の基盤はコンピュータサイエンス
チームを組んで、コンピュータを使いこなし情報を通して連携し、すばやくアイデアを形にできる人材が今求められています。
連携できる力が未来の鍵
プログラミングにより、インターネットやIoT、AIなどのデジタル環境を使いこなす。他の人々や組織と「連携」して、新しいサービスをすばやく実現する。新たなビジネスモデルや制度設計、コミュニティ作りにより、 サービスを社会に広める。そういう多様な力をつけるための七つの科目群があり、組み合わせての履修が可能です。
科目群横断のチーム実習
選択している科目群にかかわらず横断してチームを組み、共通の課題に取り組む実習を実施します。
全学生にCS教育
プログラミング力をつけるのがCS – Computer Science(コンピュータ科学)。連携の基盤としてCS教育を重視し全学生にCS初級とプログラミング教育を実施します。
コミュニケーション力の重視
異なる専門、多様な国籍を持つ者同士で、共通の課題解決を行うため「英語」をはじめとして「プレゼンテーション」や「ディベート」などの実践的コミュニケーション能力を身につけます。
どんな人生を送るにしろ人生を助ける力としての「プログラミング」