デジタル技術による変革、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現が社会のキーワードになる今、デジタル技術は日々目覚ましいスピードで進化しています。そのような世界に貢献できる人材を送り出すためには、大学の「教育」も、常に変わり続けることが必要です。
開設から4年が経つ2022年より、INIAD はカリキュラムを大幅にアップデートしました。
連携の基礎としての、プログラミング・数理・コミュニケーション
1〜2年生にかけて、すべての学生がプログラミング・数理(数学と確率統計)・コミュニケーションを集中的に学び、情報連携の基礎を身につけます。社会全体がグローバルに結合されようとしている今、私たちも世界中の人たちと「連携」し、さまざまな課題を解決していくためのスキルが求められています。
INIADでは入学直後から、世界中で使われているプログラミング言語「Python」と、Webの標準言語「HTML」「CSS」「JavaScript」を学びます。これらの基本スキルをもとに、ソースプログラム管理システム「Git」を用いたチームでのWebサービス開発や、Pythonによるデータ解析やAI活用の基礎を2 年次までに全員が習得します。
将来のポートフォリオを形作る専門科目群
2年生からは、INIADが提供する七つの科目群から二つを選択し、専門科目を学習します。「IoTからクラウド技術まで、最先端技術を身につけたエンジニアになりたい」「ビッグデータを活用した新規事業を起こしたい」「地域社会のDXを推進したい」など、自分の将来につながる科目群を選択し、その分野について深く学びます。
チーム実習
「情報連携チーム実習」は、学部3年の必修科目として設定されています。2年生より学び始めた科目群の専門知識・スキルを持ち寄り、学部横断で5人程度のチームを組み、自主的にプロジェクトを立案し、1年間をかけてプロジェクトを遂行します。「連携力」を重視するINIADならではの、ユニークな取り組みです。
実際の社会では、自分とは違う強みを持った仲間と協力することが必要です。特に、スタートアップをはじめとした社会の多くのICTビジネスは、エンジニア、デザイナー、プロジェクトマネージャをはじめ、さまざまな役割をもつ人々が協力して作られています。そのような「社会」を疑似体験し、貢献をする意義、あるいはその難しさを知ることを目的とした「実習」です。
卒業研究
4年生では、教員の研究室に所属し、1年間をかけて専門的な研究テーマに取り組みます。もちろん大学院に進学し、研究者を目指して、より本格的に研究活動を行うこともできます。
INIAD七つの科目群(科目例)
今私たちは、世界中のあらゆるヒト、モノ、サービスがネットワーク化した、IoT(Internet of Things)の時代に生きています。このようなIoT時代の情報システムを構築するには、OS(オペレーティングシステム)からネットワークに至るまで、コンピュータ・サイエンスの体系的な理解が必要になります。コンピュータ・システム科目群では、最先端の情報システムを自ら構築するための知識・スキルを身につけます。
(科目例) 「プログラミング言語」「コンピュータ・アーキテクチャ」「オペレーティングシステム」「コンピュータ・ネットワーク」
DXを実現するためには、社会のさまざまな課題を分析し、それを解決する情報サービスを設計・開発できることが必要になります。さらに変化の早い現代においては、情報サービスを迅速に立ち上げ継続的に発展させることが期待され、そのためのソフトウェア開発手法を身につけることも求められます。コンピュータ・ソフトウェア科目群では、モダンな情報サービスの設計・開発を行うための知識・スキルを身につけます。
(科目例) 「アルゴリズムとデータ構造」「データベース」「ソフトウェア・エンジニアリング」「サイバーセキュリティ」
人を惹きつける情報サービスには、魅力的なUXデザインが不可欠です。ユーザ・エクスペリエンス科目群では、基本的なデザインに関する知識を学習したうえで、「人とコンピュータの関わり」に関するデザインを深く学び、新しいアイデアを形にするための実践的な知識・スキルを身につけます。
(科目例) 「デザイン理論」「UX デザイン」「ヒューマン・コンピュータ・インタラクション」
IoT(Internet of Things)の時代においては、世界中で大量の情報が生まれ続けています。これらのビッグデータを読み解き社会の課題解決につなげる力は、これからのあらゆるビジネスの分野で欠かすことのできない能力です。データサイエンス科目群では、統計分析の知識を基礎に、機械学習やAI(人工知能)技術を活用し、ビッグデータを分析するための知識・スキルを身につけます。
(科目例) 「データサイエンス基礎」「データマイニング論」「機械学習と人工知能」「ディープラーニング」
あらゆる分野でDXが求められる現在、プログラミングをはじめとしたコンピュータ・サイエンスの知識は、将来どのような分野で働くとしても、大きなアドバンテージとなります。ICT社会応用科目群では、INIAD生全員が学習するプログラミングをベースに、特にICT(情報通信技術)の実社会への応用の観点について、重点的に学習します。
(科目例) 「コンピュータ・システム社会応用論」「コンピュータ・ソフトウェア社会応用論」「ユーザ・エクスペリエンス社会応用論」「データサイエンス社会応用論」
現在、コンピュータは誰でも手に入るものになり、特別な資格や高価な機器がなくても、知識とスキルを身につければ新しいサービスやモノを創れる時代になりました。クラウドファンディングによる世界中の不特定多数からの資金調達など、インターネットを活用し、これまでになかった形で新たなビジネスを立ち上げるしくみも、次々と世に出ています。ビジネス構築科目群では、何度でも挑戦するマインドを持ち、チームを束ねて、新しいICT ビジネスを構築することのできる人材を育成します。
(科目例) 「経済概論」「経営論」「マーケティング」「制度設計論」
現在、スマートシティとよばれるような、複雑化し高度化するまちの活動を最先端技術で支える取り組みが世界中でなされています。インフラの設計・管理、環境への配慮、健康、快適で便利なくらしの実現など、地域・コミュニティにおけるICTの活用はますます盛んになり、それによって豊かなくらしを創り出すことができます。コミュニティ形成科目群では、ICTを活用した地域・コミュニティ形成の基本的な考え方を身につけることができます。
(科目例) 「地域・コミュニティ分析」「地域・コミュニティ創生」「持続可能な社会の形成」「公共空間とコミュニティデザイン」
輩出を目指す人物像
INIADでは、自分の将来像にあわせて七つの科目群から二つを選択することができます。あくまでも一例ですが、このような選び方ができます。
エンジニア人材になるには…
- 「コンピュータ・システム科目群」×「コンピュータ・ソフトウェア科目群」
コンピュータ・サイエンスを体系的に習得し、情報システムの設計・開発ができるソフトウェア・エンジニアを目指す - 「コンピュータ・ソフトウェア科目群」×「データサイエンス科目群」
AI / IoTを駆使した、最先端の情報サービスを開発できるエンジニアを目指す
コミュニティ形成人材になるには…
- 「コミュニティ形成科目群」×「データサイエンス科目群」
GISやビッグデータを活用し、政府や地方政府のDXを先導する人材を目指す - 「コミュニティ形成科目群」×「ICT社会応用科目群」
情報通信技術を応用し、地域コミュニティの形成や都市サービスの構築を行うことができる人材を目指す
デザイナー人材になるには…
- 「ユーザ・エクスペリエンス科目群」×「コンピュータ・ソフトウェア科目群」
WebサービスのUXデザインを行える人材を目指す - 「ユーザ・エクスペリエンス科目群」×「コミュニティ形成科目群」
AR/VRなどの最先端技術、空間デザインや、モノ・サービスのデザインに活かせる人材を目指す
ビジネス構築人材になるには…
- 「ビジネス構築科目群」×「データサイエンス科目群」
ビッグデータを活用し、企業のDXを先導できる人材を目指す - 「ビジネス構築科目群」×「ICT 社会応用科目群」
ICTを応用したイノベーティブなビジネスを開発できる人材を目指す