【INIADに入学を希望する皆さまへ】入学試験に対するINIADの考え

この度はINIAD(東洋大学情報連携学部)に興味を持っていただきありがとうございます。ここでは、INIADがどのような場所であるか、そして入学試験がどのような意味を持つのかについて説明し、我々の教育哲学を皆さんと共有したいと考えています。

まず重要な点として、大学は単なる資格取得の場所ではない、ということです。大学を卒業しなかったからといって、特定の仕事に従事できないということは基本的にはありません。実際、マイクロソフトのビル・ゲイツやアップルの創業者スティーブ・ジョブズのように、大学を卒業していないにも関わらず世界的に成功した例は数多くあります。

大学の目的は、これからの人生を渡る上で必要な知識と技能を習得することにあります。このような将来的に困難に直面した時に乗り越える力を与えることを使命としているのが大学教育です。

そのために我々が重視しているのが学習する意欲です。学習する意欲があるのに、教育がうまくいかないとすれば、教育側に工夫の余地がありますが、学習する意欲がなければ教育側の努力も無駄であり、その学習の機会は意欲のある人にこそ与えられるべきものだからです。

その点において、大学選びにおける偏差値に対する我々の問題意識について触れたいと思います。偏差値は予備校の模試の点数で、その大学の一般入試で合格した人の点数の最低値で決められるため、偏差値には一種のマジックがあると言えます。

一般入試での受け入れを減らし、推薦や指定校推薦などの他の入試方法で受け入れを増やすことで、見かけの偏差値は上がります。しかし、このような方法を続けると、偏差値以下の学生がクラスに多くなり、教育レベルを下げざるを得なくなります。また、そういう学生を無理に卒業させると、企業の人事部によるその学部の評価も低くなり、その後の卒業生の就職に不利をもたらす可能性があります。つまり、偏差値が高いと見える学部に一般入試を受けずに楽に入れたということは、本人の将来にとって必ずしも良いことではありません。

本来の入学試験は学習する意欲があるかどうかを試験の点数として推し量り確認するものであり、高校の成績だけが全てを決定するわけではないとの考えで行われるものです。高校の成績が悪くても、それが高校の教育方法が個々の学生にとって適していなかったためかもしれません。実際、直前の頑張りで大きく点数を上げられる人もいます。そのため、我々は、様々なタイプの入学試験を提供していますが、それぞれの試験で求めるのは常に学習意欲と基本的な知識の理解です。

入学試験には一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜など様々な形式があり、どの形式が有利ということはありません。どの形式においても、学習意欲と基本知識が評価されます。そして、それに基づいて合否が決定されます。

特に数学の基礎知識は、INIADの教育カリキュラムにおいて重要な位置を占めています。たとえ数学を受験科目として使用せずに入学試験に合格しても、4月に入学後の数学の確認テストで基礎知識が確認され、これに合格しなければINIADの本来の授業の一部は受けられなくなります。

この確認テストは入学試験のような競争試験ではなく、一定の点数を取ればいい資格試験であり、高校の数学をクリアしていれば十分合格できるものです。数学の基本的な学力がない状態で大学教育を受けることは、本人にとっても周囲にとっても望ましくないという考えで、この制度を維持しています。

合格できない場合は、確認テストに合格するまで補習を受けていただきます。この補習と確認テストの機会を何度も提供するのも、学習する意欲を最重要視するINIADならではだと思います。

繰り返しになりますが、我々は皆さんが大学で何を学び、何のために大学に来るのかを理解し、それに基づいて努力できる学生を求めています。偏差値や学校ランキングを重視した選抜は行っておらず、学習意欲が最重要視されます。

INIADは、学習意欲がある皆さんを歓迎しています。我々と一緒に、あなたの人生を成功に導く知識と技能を習得しましょう。

参考データ
現在、多くの私立大学では、1月以降に筆記試験で合否を決める一般選抜よりも、年内に面接・小論文や高校の平均評点で合否を決める総合型選抜・学校推薦選抜で大学に入学する割合が年々高まっています。2022年度入試の私立大学入試では、一般選抜による入学者が41.1%なのに対して、総合型選抜は15.7%、学校推薦型選抜は41.7%となりました。しかしINIADでは、2022年度入試は一般選抜が97.4%、総合型選抜・学校推薦選抜が2.3%、2023年度入試は一般選抜が98.3%、総合型選抜・学校推薦選抜が1.7%となっています。他の大学や学部の中には、すでに12月の時点で定員の半分以上の入学者が決まっているところが多くあります。INIADでは、上記の考えの元、一生懸命勉強している人が評価されるよう、一般選抜でより多くの学生を受け入れたいと思っています。

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