桐畑響さん(情報連携学研究科博士前期課程1年生・石川知一研究室)が発表した研究「高低差があるVR空間における直線指定のテレポーテーションの提案と評価」が、情報処理学会 第198回CGVI研究発表会(2025年6月22日・ハイブリッド開催(富山大学+オンライン))において、学生発表賞を受賞いたしました。
この研究発表会は情報処理学会CGVI研究会によって年4回開催される発表会の1つで、発表を通し意見交換・交流を行っています。研究発表会の詳細はこちら。
桐畑響さんが行った「高低差があるVR空間における直線指定のテレポーテーションの提案と評価」では、VR環境における垂直移動を改善するためにハンドトラッキングを使用する2つの新しいテレポーテーション手法、SphereBackcastとPenetrationを設計し評価を行いました。この研究では、3つの異なる環境条件(平坦な地形、緩やかな斜面、高さ4mまでの多段階段)において、提案する直線指定を用いた方法と従来の放物線型テレポーテーションを比較することに焦点を当て、移動時間、経路精度を測定し、22名の参加者からストレス指標であるNASA-TLXと使いやすさの指標であるSUSアンケートを用いて主観的評価を収集しました。その結果、提案法であるPenetration法が従来法を有意に上回り、移動時間が53%速く、経路誤差が35%小さく、NASA-TLXスコアで示されるユーザーの疲労が軽減されたことを確認しました。これらの結果は、垂直方向の要素が大きいVR環境だけでなく、VR環境全般に適用可能な効率的なテレポート技術を確立し、現在のハンドジェスチャーベースの移動方法における現在の課題に対処するものになります。
– 桐畑響さんのコメント –
このたび、学生発表賞を頂戴することができ、大変光栄に存じます。研究を進めるにあたり、日々ご指導くださった石川先生、実験に協力し多くの示唆を与えてくださった研究室の皆さまに、心より感謝申し上げます。今後も謙虚に学びを深め、より一層意義ある成果を目指して精進してまいります。
– 石川准教授のコメント –
受賞した研究は桐畑さんが大学院の博士前期課程に入学してから取り組んでいた成果を発表したものです。卒業研究の時に課題であったVR空間での鉛直方向への移動を解決することに取り組み、いくつかの手法を実験によって検証してきました。実装の完成度が高く、提案法の評価・分析を行って報告でき、受賞に繋がったことを嬉しく思います。
研究会公式HPでの掲載
https://cgvi.jp/info/student-award/#198
研究会公式X(旧Twitter)
https://x.com/cgvijp/status/1939684490558967936