【学生】桐畑響さん(石川知一研究室所属)がHigh-Performance Graphics 2025 Student Competitionにおいて2nd Place Prizeを受賞しました

桐畑響さん(情報連携学研究科博士前期課程1年生・石川知一研究室)がHigh-Performance Graphics 2025(2025年6月23日~25日・コペンハーゲン)で開催されたStudent Competitionにおいて、2nd Place Prizeを受賞いたしました。

High-Performance Graphics (HPG) は革新的なアルゴリズム、効率的な実装、言語、コンパイラ、並列処理、そして高性能グラフィックスのためのハードウェアアーキテクチャなど、パフォーマンス重視のグラフィックスおよびイメージングシステムの研究における主要な国際フォーラムです。この学会では、研究者、エンジニア、そしてアーキテクトが一堂に会し、現在および将来のグラフィックスおよびビジュアルコンピューティングアプリケーション向けシステム設計における、並列ハードウェアとカスタムハードウェアの複雑な相互作用、革新的なプログラミングモデル、そして効率的なアルゴリズムについて議論します。 HPGの学会では例年Student Competitionが開催されており、全世界から実装作品の応募があります。今年のStudent Competitionのテーマは過去10年間のHPGで発表された論文で最も影響力のあるSVGF(Spatiotemporal Variance-Guided Filtering)アルゴリズムで,SVGFを独自に実装したり,アプリケーションや他の技術と組み合わせたりしたものの提出が求められました。学会と受賞の詳細はこちら

桐畑響さんが提出した「Stereoscopic Rendering with SVGF and Spatial Reprojection」では、両眼前ディスプレイに2枚同時に画像を提示する必要があるVirtual Reality (VR) に対して、SVGFを適用する方法を実装しています。それぞれの目で見えている部分は共通する場所が多く,両目で見える差分部分は視差によって求めることができます。本実装では左目で見える画像はすべて計算して求め、右目で見える画像はこの差分部分のみの計算に限定することで効率的に両目に提示する画像を計算する方法になります。Student Competitionの応募作品は、独創性(主な構成要素)、簡潔、パフォーマンス、メモリ使用量、ピクセルあたりのジュール、説明資料によって評価されるため、主に独創性とパフォーマンス、ピクセルあたりのジュールで評価されたものと考えています。

-桐畑響さんのコメント
このたびはこのような素晴らしい賞をいただき、大変光栄に思います。 今回の挑戦は、石川先生が背中を押してくださったことが大きなきっかけとなりました。また、取り組みの過程でも多くのご助言とご支援をいただき、心より感謝申し上げます。 この経験を励みに、今後も学びを深め、より一層成長できるよう努めてまいります。

-石川准教授のコメント
受賞した作品は桐畑さんが興味のあるVR技術にSVGFを利用できないかという発想から完成させたものになります。このコンペのためにSVGFについて学習し、研究で取り組んでいる開発環境とは異なるプログラミング言語で実装することになったので、苦戦することもありましたが、結果が評価されたことはとても嬉しく思います。

桐畑さんの応募作品
https://www.shadertoy.com/view/WcGGW1
※ブラウザの環境によっては動作しない可能性があります

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