
メディアセンター
本のない図書館
メディアセンターは、INIADにおける図書館に相当する施設です。ただし普通の図書館と異なるのは紙の本が1冊もないこと。これはINIADがペーパーレス環境の実現を目指しているからです。ではどのように学生は図書館を利用するのでしょう。INIADではさまざまな分野にまたがる電子書籍や電子ジャーナルと契約しています。学生や教職員は、持参したノートPCやメディアセンターに設置されているタブレットなどで電子ブックを閲覧することができます。
INIADの学生の中には、初めてコンピュータを本格的に利用する学生もいるので、メディアセンターにはコンピュータの相談窓口であるヘルプデスクがあり、学生は開室時間内ならインターネットに接続する方法などをいつでも相談することができます。また、メディアセンター内には自習スペースが用意され、電源も用意されています。一人でいながら、同時に周囲に人々を感じられる、適度な独立感のパーソナルスペースで、学生は自分のコンピュータを利用して授業の予習や復習を行うことができます。


ミーティングスペース
ネットが主流になっても、直接顔を合わせてコミュニケーションを取ることの重要性は変わりません。メディアセンターはその対面でのコミュニケーションを助けることを中心に、ネットの中だけでは実現できないメディア機能を提供するスペースでもあります。
ミーティングスペースでは、学生が少人数で集まって、一つの同じ大画面を見てコミュニケーションを取ることができます。また、ミーティングスペースはさまざまなインテリアで気分を変えられるようになっており、アイデア出しを刺激します。他のチームとの適度な距離感を保つことができ、セレンディピティ(予期せぬ幸運な出会い)を演出し、アイデアの掛け算効果を生みだします。近くにはカフェスペースもあるので、クリエーションに疲れたら、美味しいお茶とスイーツでリフレッシュしてはどうでしょう。
小人数でのセミナーや討論会を行える小規模なシアタースペースも用意されています。プレゼンテーションや展示などに使用できる曲面スクリーンには、スティッチングとよばれる技術によって3個のプロジェクターの映像をシームレスに合成して1枚の画面として投影することができます。
使い方の例として、この曲面スクリーンに、東洋大学の創設者であり、妖怪研究の専門家でもある井上円了先生のコレクションの一つ、妖怪の絵巻物を投影してみることを考えてみましょう。実物は貴重品であり、実際に絵巻物を開いて鑑賞することは難しいですが、この展示のように絵巻物を電子化し、曲面スクリーンを活用して実物には手を触れることなく鑑賞することができます。

INIADホール
4Kプロジェクター
INIAD内で学年全体が集合できる大きな空間として、約400人を収容できるINIADホールが整備されています。INIADホールには、さまざまなイベントやパブリックビューイング等にも対応できるよう、2万ルーメンの超高輝度で4K+の高解像度のプロジェクターが3台設置されており、これらをシームレスに統合して一体的に映像投影を実現しています。このプロジェクターは超短焦点レンズを搭載していることから、ステージ上に立ってもスクリーンに影が出ないようになっています。

INIAD Makers’ Hub(メイカーズハブ)
INIAD Makers’ Hubは、INIADの学生や教員がコンピュータを使ったものづくりをするためのスペースです。コンピュータを使ったものづくりは一般にデジタルファブリケーションとよばれており、3Dプリンタ 注1)やレーザー加工機 注2)などを利用したものづくりが世界的に新たな潮流となりつつあります。INIADは、このような「ものづくりに取り組む人々」(メイカーズ)の活動を支援することが重要だと考えています。
INIADでは、3Dプリンタ、レーザー加工機、3Dスキャナ (注3)などデジタルファブリケーションのための機材を複数導入しています。またコンピュータ系学部として必須である高精度なテスターやオシロスコープ、ネットワークアナライザーなどの計測機器や、電動ドリル、はんだごてなど、ものづくりに関するさまざまな機材を取りそろえています。
INIAD Makers’ Hubの機材を活用して、東洋大学の創設者である井上円了先生が利用していた陶器製のドクロ型筆立ての実物をモデルに、複製品を製作してみました(右下図)。実物の筆立ては貴重品であるが、デジタルファブリケーションを活用することによって、たとえば目の見えない方も複製品を触って筆立ての形状を理解できるなど、博物館のバリアフリー化の実現にも貢献できます。

作業できる内容
INIAD Makers’ Hubでは、原材料を加工するところから塗装などを施す整形まで、ものづくりの一連の作業を行えます。
- 木材、金属、樹脂などの工具を用いた加工
- デジタルファブリケーション
- 電子工作
- 塗装
計測機器
電子工作のためのプロユースの計測機器類も充実しています。
- デジタルマルチメーター
- オシロスコープ
- ロジックアナライザー
- ネットワークアナライザー
- スペクトルアナライザー
工作機器
デジタルファブリケーションを中心に、ものづくりの一連の作業を行う環境を整えています。
- 3Dプリンタ
- 3Dスキャナ
- 3D切削加工機
- レーザーカッター
- カッティングプロッター
- 真空成形機
- 基盤加工機
- エアースプレーガン







注1) 3Dプリンタ: 3D CADなどを利用してコンピュータ内で作成した3Dモデルデータに基づき、樹脂などを薄く積層することによって三次元形状を造形する装置。主に製品設計時に使用され、従来であれば金型を起こす必要があったものが3Dプリンタから出力できるようになり、これによりものづくりにおいてラピッドプロトタイピング(高速試作)が可能となりました。
注2) レーザー加工機: 高出力レーザーによって切断、穴あけ、彫刻を行うことができる装置。刃物による切削加工の代わりにレーザーを使用することで、PC上で作図した二次元CADデータから直接加工を行うことができるので、複雑な形状、模様を加工することを短時間に行うことができます。
注3) 3Dスキャナ: 立体物の形状を三次元で読み取り、データとして保存するための入力装置。用途としては、生産物とCADデータとの差異を比較するための検査測定、現物をデータ化し解析を行うリバースエンジニアリング、資料価値の高い文化財の電子化などがあげられます。
